14.東京都資料:急速に進む高齢化

@ 高齢者人口の激増と少子化の進行

  東京都の65歳以上の高齢者は、平成11(1999)年1月1日現在176万人で、総人口に占める割合である高齢化率は15.0%となっている。 平成27(2015)年には1.6倍の290万人、高齢化率は25.2%と都民の4人に1人が高齢者になると予測される。
 高齢化と同時に少子化も進行している。平成27(2015)年には、14歳以下の年少人口は、現在の144万人から25万人減少し、119万人になり、総人口の10.4%になると予測される。

【年齢別人口の推移(東京都)】 


A 高齢者を支える生産年齢人口の減少

 平成27(2015)年の生産年齢(15〜64歳)人口は、現在の850万人から109万人少ない741万人になると予測される。
 この結果、高齢者1人を支える人数は、現在の4.8人が平成27(2015)年には2.6人となる。

【高齢化率と高齢者1人当たりの生産年齢人口の推移(東京都)】 高齢化率と高齢者1人当たりの生産年齢人口の推移

資料: 総務庁「国勢調査」(昭和40年〜平成 7年)平成11年は、総務局「住民基本台帳による東京都の世帯と人口」
(平成11 年1月)平成12年以降は、総務局「東京都男女年齢(5歳階級)別人口の予測」(平成11年3月)

 
B 平均寿命の伸長

 平成10(1998)年の日本人の平均寿命は、男性77.16 歳、女性84.01 歳です。昭和45(1970)年の男性69.31 歳、女性74.66 歳と比べ、28年間で男女とも8〜9歳程伸びている。
 65歳時の平均余命は、昭和45(1970)年の男性12.50 歳、女性15.34 歳に比べ平成10年(1998)年には男性17.13歳、女性21.96 歳と、高齢期が長くなってきている。

【平均寿命と65歳時の平均余命の推移(全国)】

平均寿命と65歳時の平均余命の推移(全国)
資料:厚生省「完全生命表」、「簡易生命表」

15.東京都資料:高齢者の生活


@ 多くの高齢者が元気

 元気な高齢者は、高齢者の4分の3以上を占めている。65歳〜69歳では、80%を超え、75歳以上でも70%に達している。

【元気な高齢者の割合(東京都)】
元気な高齢者の割合

資料 福祉局「高齢者の生活実態 平成7年度東京都社会福祉基礎調査」(平成8年2月)
 

A 都民は70歳以上を高齢者と意識している

 50歳以上の都民が「高齢者」として意識する年齢は、70歳以上がもっとも多く46.2%と約半数にのぼり、75歳以上も11.2%となっている。

【年齢から見た高齢者(東京都)】
年齢から見た高齢者

*調査対象:50〜79歳の都民
資料:労働経済局「『高齢社会に向けた産業の取組み』調査報告書」(平成10 年3月)
 

B 経済的にも自立した高齢者が増えてい

 全国の世帯を世帯主の年齢階級別に分け、世帯人員1人当たりの平均可処分所得をみると、世帯主が65 歳以上の世帯では183 万円となる。世帯主が40歳代の世帯を上回っており、他の年齢層と比較して遜色がない。

【世帯主の年齢階級別にみた1世帯当たり・世帯人員1人当たり平均可処分所得金額(全国)】

 

C 高齢者の約3人に1人が働いている

高齢者全体の3割の方が働いている。65歳〜69歳までの高齢者では44.0%となっており、70歳以上でも5人に1人以上が働いている。

【高齢者の就業状況(東京都)】
高齢者の就業状況
資料:総務局「平成9年就業構造基本調査」(平成11年3月)
 

D 高齢者夫婦のみの世帯が増えている

 平成7 年度の高齢者世帯の44.2 %が高齢者のみの世帯となっており、昭和60年度の32.9 %から10ポイント以上増加している。
 今後も高齢者人口の増加に伴い、「ひとり暮らし高齢者」や「高齢者夫婦のみ」などの高齢者のみの世帯は、一層増加すると見込まれる。

【高齢者世帯の類型(東京都)】
世帯の状況の推移

資料:福祉局「高齢者の生活実態 東京都社会福祉基礎調査」(昭和60、平成7年度)
 

E 介護を必要とする高齢者が増えている

 平成27(2015)年には、介護を必要とする高齢者(ねたきり等の高齢者と比較的重い障害のある高齢者)は19 万1 千人、痴呆性高齢者は11万3千人と、現在の1.6 倍に増えると見込まれる。

★要介護高齢者と痴呆性高齢者の推移(東京都) 

要介護高齢者と痴呆性高齢者の推移

資料:高齢者施策推進室推計
 

F 介護者の高齢化が進んでいる

 在宅で主に介護にあたる親族を年齢別にみると、平成7 年度の調査では60歳以上が56.8%を占めている。平成2年度の調査では52.4%であり、介護者の高齢化が進んでいる。