5.大きく変化した我が国の人口ピラミッド

 人口の年齢構造の変化を人口ピラミッドの形態によってみると,我が国の人口ピラミッドは,戦後の昭和25年までは,若い年齢ほど人口が多くすその広い,いわゆる「富士山型」であった。しかし,昭和25年以降出生数が減少したため,昭和35年には人口減退を示す「つぼ型」に近くなった。その後,30年代の終わり頃から第2次ベビーブームの40年代後半にかけて出生数がやや増加したため,ピラミッドのすそが再び広がり「星型」に近くなった。その後は,昭和48年をピークに出生数が再び減少傾向となったた,人口ピラミッドは50〜54歳,25〜29歳を中心とした二つの膨らみを持つ「ひょうたん型」に近い形となっている。
 諸外国の人口ピラミッドは図のとおりとなっている。
 

我が国の人口ピラミッドの推移と諸外国の人口ピラミッド

我が国の人口ピラミッドの推移と諸外国の人口ピラミッド

我が国の人口ピラミッドの推移と諸外国の人口ピラミッド

 

6.全都道府県で高齢化が進行,最高は島根県の25.7%

 老年人口の割合を都道府県別にみると,島根県が25.7%と最も高く,次いで高知県が23.9%,秋田県が23.5%,山形県が23.3%,鳥取県が23.1%などとなっている。
 一方,最も低いのは埼玉県で12.9%,次いで神奈川県が13.4%,千葉県が14.0%,沖縄県が14.1%,愛知県が14.7%などとなっている。
 老年人口の割合を平成7年と比べると,2.2ポイントから4.3ポイントの幅で,すべての都道府県で拡大しており,全国的に高齢化が進行している。
 また,年少人口の割合を都道府県別にみると,沖縄県が20.8%と最も高く,次いで滋賀県が16.4%,佐賀県が16.2%,長崎県が15.9%,宮崎県,福島県が共に15.8%などとなっている。
 一方,最も低いのは東京都で11.8%,次いで山口県が13.2%,高知県,徳島県,秋田県が共に13.5%などとなっている。
 年少人口の割合を平成7年と比べると,0.6ポイントから3.0ポイントの幅で,すべての都道府県で縮小している。
 

都道府県別老年人口の割合

年齢(3区分)別人口の割合−都道府県

7.生産年齢人口の割合が高い都府県は三大都市圏に分布

 生産年齢人口の割合を都道府県別にみると,埼玉県が72.4%と最も高く,次いで神奈川県が72.2%,東京都,千葉県が共に71.6%,大阪府が70.3%,愛知県が69.7%,京都府が68.5%,奈良県が67.9%と,これら8都府県で全国平均(67.8%)を上回っており,生産年齢人口の割合が高い都府県は三大都市圏に多く分布している。
 一方,最も低いのは島根県で59.9%,次いで鹿児島県が61.6%,山形県が61.8%,高知県,宮崎県が共に62.6%などとなっている。
 生産年齢人口の割合を平成7年と比べると,0.7ポイントから2.6ポイントの幅で,すべての都道府県で縮小している。 

都道府県別生産年齢人口の割合(平成12年)

8.「高齢者世帯」は、全世帯の 13.7%

 世帯数を世帯類型別にみると、「高齢者世帯」は、626万1千世帯(全世帯の 13.7%)、「母子世帯」は、59万7千世帯(同 1.3%)となっている。また、「全世帯」と「高齢者世帯」について、昭和50年を100とした指数でみると、「全世帯」は 138.5、「高齢者世帯」は 574.9となっており、「高齢者世帯」の増加の度合いが大きい。
 「高齢者世帯」を世帯構造別の構成割合でみると、「単独世帯」が 49.2%、「夫婦のみの世帯」が 47.6%となっている。

世帯類型別にみた世帯数の年次推移 

年次 総数 高齢者世帯 母子世帯 父子世帯 その他の
世帯
指数(昭和50年=100)
全世帯 高齢者世帯

推計数   (単位:千世帯)

昭和50年 32 877 1 089 374 65 31 349 100.0 100.0
55 35 338 1 684 439 95 33 121 107.5 154.6
60 37 226 2 192 508 99 34 427 113.2 201.3
平成 2年 40 273 3 113 543 102 36 515 122.5 285.9
8 43 807 4 866 550 85 38 306 133.2 446.8
9 44 669 5 159 535 79 38 895 135.9 473.7
10 44 496 5 614 502 78 38 302 135.3 515.5
11 44 923 5 791 448 88 38 596 136.6 531.7
12 45 545 6 261 597 83 38 604 138.5 574.9

構成割合   (単位:%)

昭和50年 100.0 3.3 1.1 0.2 95.4
55 100.0 4.8 1.2 0.3 93.7
60 100.0 5.9 1.4 0.3 92.5
平成 2年 100.0 7.7 1.3 0.3 90.7
8 100.0 11.1 1.3 0.2 87.4
9 100.0 11.5 1.2 0.2 87.1
10 100.0 12.6 1.1 0.2 86.1
11 100.0 12.9 1.0 0.2 85.9
12 100.0 13.7 1.3 0.2 84.8
注:「高齢者世帯」とは、65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の未婚の者が加わった世帯をいう。 

世帯構造別にみた高齢者世帯数の年次推移 

年次 総数 単独世帯 夫婦のみ
の世帯
その他の
世帯
総数
  推計数   (単位:千世帯)
昭和50年 1 089 611 138 473 443 36
55 1 684 910 192 718 722 52
60 2 192 1 131 218 913 996 65
平成 2年 3 113 1 613 295 1 318 1 400 100
8 4 866 2 360 484 1 876 2 332 174
9 5 159 2 478 556 1 922 2 522 159
10 5 614 2 724 555 2 169 2 712 178
11 5 791 2 703 569 2 134 2 883 205
12 6 261 3 079 682 2 398 2 982 199
 

構成割合   (単位:%)

昭和50年 100.0 56.0 12.6 43.4 40.7 3.3
55 100.0 54.0 11.4 42.7 42.9 3.1
60 100.0 51.6 9.9 41.7 45.4 3.0
平成 2年 100.0 51.8 9.5 42.3 45.0 3.2
8 100.0 48.5 9.9 38.6 47.9 3.6
9 100.0 48.0 10.8 37.3 48.9 3.1
10 100.0 48.5 9.9 38.6 48.3 3.2
11 100.0 46.7 9.8 36.9 49.8 3.5
12 100.0 49.2 10.9 38.3 47.6 3.2